学内講座コード:19B1615201
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主催:
神奈川大学 [ 神奈川大学 KUポートスクエア (みなとみらいキャンパス) (神奈川県) ]
講座名:
翻訳を通して日本語を見る 失われるもの、消えていくもの
申し込み締切:
2019年11月01日 (金) 23:30
開催日時:
11月 2日(土)、11月 9日(土)、11月16日(土)、11月30日(土)、12月 7日(土)、12月14日(土)/15:00~16:30
入学金:
-
受講料:
9,500円
定員:
30名
講座回数:
6回
講座区分:
後期
その他:
8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
補足:
-
【講座内容】
翻訳とは、1 つの言語をまったくあるいはほとんどわからない人が読んで理解できるように、その人の母語、あるいは熟知している言語に移し替えることである。
本講座は、日本語を翻訳するということがどういうことなのかを、英語を使って一緒に考えていこうとするものである。日本語から英語への言い換えの際、失われるもの、消えるものがある、それが何かを探り、それによって日本語を日本語らしくしているものを明らかにしようとする試みである。
日本語と英語の間を行き来する移し替えの作業の間で日本語の認知のやり方を発見しながら、ふだん意識せずに使っている日本語を違う角度から見つめてみよう。私たちがいかに日本語の豊かな使い手であるかを認識することになろう。
【講座スケジュール】
第1回11月 2日(土)
詳細:◆母語と外国語は質的に違う
外国語がうまくなるためには日本語について知ることが必要である。
◆失われる音声と表記法
オノマトペ(擬音語と擬態語)は日本語独特の現象
漢字・ひらかな・カタカナ・ローマ字の使い分け
漢語と大和ことばの併用
第2回11月 9日(土)
詳細:◆「常体(である)」形と「丁寧(です/ます)」形の切り替え
切り替わるのはコミュニケーションの矛先が聞き手に向いているのか自分向けかによる。どういう理由からか、どういう効果があるか。
第3回11月16日(土)
詳細:◆過去の話なのに、現在形?
あるときは過去形で、あるときは現在形で書かれることはなぜ起こるのか。単数・複数の対立がないことも関係する。
◆独特の数の示し方
第4回11月30日(土)
詳細:◆「かゆいところに手の届く」日本語
聞き手の推論に委ねないでことばを使って明示的にするー豊かな文末助詞と話法、文副詞といわれるもの、授受動詞(「やる/もらう」)と「(結婚)したい」vs.「(結婚)したがっている」
第5回12月 7日(土)
詳細:◆命題提示態度
日本語は話し手の命題提示態度をことばによって表現する。英語は聞き手の推論に任せるところが多い。
第6回12月14日(土)
詳細:◆受動文の多い日本語対能動文の多い英語
日本語特有の被害の受け身文と受け身文を作らない自発動詞の存在は何を語るか。
◆結び
日本語は出来ごと、行為を不連続な個体として促えず、連続する全体としておのずからそうなるように表現しようとする。
名前 | 武内 道子 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 日本女子大学文学部英語英文学科卒業、国際基督教大学大学院教育学研究科(英語教育専攻)修了。アメリカインディアナ大学大学院言語学科修了。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)言語学科客員教授。専門は言語学、英語学、認知語用論。著書に『石油の国に住んでみて』(毎日新聞社)、『手続き的意味論 談話連結語の意味論と語用論』( ひつじ書房)、『副詞的表現をめぐって』( 編著、ひつじ書房)、『発話と文のモダリティ』( 編著、ひつじ書房)、『思考と発話 明示的伝達の語用論』( 共翻訳、研究社)、『認知語用論の意味論―真理条件的意味論を超えて』( 共翻訳、ひつじ書房)、『アメリカの素顔』( 翻訳、丸善ライブラリー) など。 |
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