学内講座コード:24B1600017
この講座について質問する主催:
神奈川大学 [ 神奈川大学 KUポートスクエア (みなとみらいキャンパス) (神奈川県) ]
講座名:
ナショナリズムと歴史の相克について考える【対面講座】 歴史の物語化とその批判
申し込み締切:
2024年09月21日 (土) 23:30
開催日時:
10月 5日(土)、10月12日(土)、10月19日(土)、10月26日(土)、11月 2日(土)/13:00~14:30
入学金:
-
受講料:
9,000円
定員:
30名
講座回数:
5回
講座区分:
後期
その他:
8100(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
補足:
-
【講座内容】
歴史は単なる過去の出来事の再現ではなく、そもそも過去の完全なる再現は不可能です。過去の出来事のうち、現在を生きる人間の関心・意識によって「選択」された「事実」のみが「記述」されて歴史となります。過去の出来事は、「選択」と「記述」という人間の作業を経て、「歴史」となり、その人間の作業の過程で、意識的にせよ、無意識的にせよ作為が介入します。場合によっては虚偽が紛れ込み、さらに歴史は、個人や家族あるいは地域などの小単位から、人類・地球・宇宙という巨大な単位を枠組みとして記述されることもあります。その枠組みのうち、最も普通に選ばれるのが国家や民族という枠組みであり、ナショナリズムによる歴史の利用という問題の基礎には、この「選択・記述・枠組み」の問題が潜んでいます。この問題に無自覚な時、歴史の歪曲が始まるのです。本講座では、現代日本社会のみならず世界に広がっている歴史を利用するナショナリズムの問題について論じます。
【講座スケジュール】
第1回10月 5日(土) 『近代歴史学の形成とナショナリズム』
詳細:近代の歴史学は、19世紀ドイツの歴史家ランケに始まるとされますが、彼の歴史学は実証主義とロマン主義思想との結合といわれます。このランケの歴史学の検討を通じてナショナリズムと歴史の関係の問題について分析します。
第2回10月12日(土) 『歴史主義の諸相』
詳細:近代歴史学は、実証主義という方法論に関わる問題から歴史観・歴史意識という世界観に関わる問題をも含み込み、歴史主義という近代特有の論理を展開しました。多様な思想傾向を含む歴史主義の諸相を、とくに史的唯物論の問題を中心に検討します。
第3回10月19日(土) 『歴史主義批判の論理』
詳細:第一次大戦後、文明論的歴史論と歴史主義批判の登場によって「歴史」は一つの危機を迎えます。シュペングラー『西洋の没落』とポッパー『歴史主義の貧困』を例として、世界大戦期の「歴史の危機」について考察します。
第4回10月26日(土) 『歴史のための「弁明」あるいは「たたかい」は可能か』
詳細:世界大戦期、新たな歴史研究が登場し、重要な成果をあげるようになりますが、その代表ともいうべき、フランスのアナール派の中心的研究者マルク・ブロック、リュシアン・フェーブルの主張を検討します。
第5回11月 2日(土) 『「表象の歴史学」の挑戦とその批判』
詳細:東西冷戦後、再び文明論的歴史の流行と文芸批評的歴史記述分析による「歴史主義批判」が提起されました。そのような歴史をめぐる現代の思想状況を概観し、現代にふさわしい「新しい歴史」の可能性について考えます。
【教材】
なし
※講師の判断でプリント等を配布することがございます。
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)、『丸山眞男「日本政治思想史研究」を読む』(日本評論社)などがある。 |
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