西洋の近代思想と日本の近代化

【目標】
・近代の多元的社会におけるギリシア哲学とキリスト教の不調和の意味を理解する。
・近代の多元的社会と抵触する可能性のあるのは、一元的世界観を持つ社会思想に限られることを理解する。
・日本の伝統的思想は、何れも一元的世界観を持つものでないので、近代の多元的社会に適合的であることを理解する。

【講義概要】
西洋で形成された近代社会は多元的社会で、古代ギリシア哲学とキリスト教の上に、近代的思想が加わり成立した。しかし今日、世界が直面している人間と社会、人間と科学、人間と自然に関わる深刻な問題の根底には、宗教と哲学との不調和という問題がある。それは多元的社会における一神教と哲学の問題と言い換えてもよい。日本も明治以降、近代西洋をモデルに近代化を進めてきたが、日本の伝統的思想(仏教、儒教、国学)は、近代化にとって負のイメージで論じられることが多かった。だが、多元的社会ではどうか。講義では、近代西洋と近代日本の思想を、多元的社会との関係から理解し、現代世界の諸問題の根底にある思想問題を明らかにしていく。

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