学内講座コード:242R044002
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主催:
慶應義塾大学 外国語教育研究センター [ 慶應義塾大学 外国語教育研究センター オンライン講座 公開講座「慶應外語」 (オンライン) ]
講座名:
【ドイツ語】文学精読
申し込み締切:
2024年09月11日 (水) 23:30
開催日時:
10月09日(水)~01月15日(水)/19:30~21:00
入学金:
-
受講料:
30,000円
定員:
20名
講座回数:
12回
講座区分:
後期
その他:
補足:
-
ハインリヒ・ベル(1917-1985)は、ノーベル賞も受賞した戦後西ドイツを代表する作家のひとりです。彼は戦後民主主義社会を生きるモラリストとして非常に大きな社会的影響力を及ぼしましたが、彼の文学世界をとりわけ魅力的にしているのは、実は彼の生き生きとした諧謔精神であると言えます。本講座では「変わり者」の生をめぐるベルの短編小説の読解に取り組み、彼の文学のエッセンスをじっくりと味わってゆきます。
自然に言語を習得する年少者の場合とは異なり、大人が自発的な努力と論理的理解を通じて効果的に外国語を習得してゆく際の技法を実践的に習得していただくことが、本講座の主たる目的となります。まずは毎週の予習として、授業計画にしたがって次の授業で扱う予定の作品の和訳を考えていただき、授業内ではおよそ1~2文ごとに交代で音読・和訳の発表をおこなっていただきます。
その際、語学学習がただの丸暗記に終わらないように、辞書の引き方、辞書の項目内の注目すべき箇所などについても指導させていただき、論理的に理解して覚えるという習慣を身につけていただきます。本講座では、このように個々の単語の意味や文法構造を丁寧に読み取ってゆき、さらには作品の内容的な解釈についても積極的に意見を交換させていただくことで、文学作品を味わう楽しみとともにドイツ語読解能力の向上を目指してまいります。
また、外国語の深い理解のためには母国語についての省察も欠かせませんので、訳語ひとつひとつの日本語表現をなおざりにすることなく、言語全般についての感受性を高めていただくことにもなります。さらに、外国語の理解はその言語が使われている地域の文化を理解することと表裏一体であるという前提に立ち、作品の歴史的・文化的背景について、必要に応じてパワーポイント資料を用いた解説も実施してまいります。
名前 | 宮下 みなみ |
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肩書き | ミヤシタ ミナミ |
プロフィール | 【講師からのコメント】 ハインリヒ・ベルといえば、戦争の傷跡深い時代のヨーロッパ社会を鋭い視点でまなざす「廃墟文学」の作家として知られています。しかしベルは、決して単純素朴なモラリストではありませんでした。自らの文学活動を通じ、彼は真正面から社会の欺瞞に批判を突き付けただけではなく、特に円熟期には、きわめて鮮やかな諧謔の手法によって、文学的な知性のいっそう多元的なあり方を目指してゆくようになります。本講座を通じて、ぜひベルの洗練された文学世界を堪能していただければ幸いです。 |
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