学内講座コード:”2121T018
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主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 飯田橋キャンパス (東京都) ]
講座名:
海に生きた百姓たち
申し込み締切:
2021年09月15日 (水) 23:30
開催日時:
9月25日(土)/13:00~15:00
入学金:
3,000円
受講料:
3,300円
定員:
15名
講座回数:
1回
講座区分:
1回もの
その他:
補足:
-
【講座内容】
私は、これまで40年間、ずっと江戸時代の村と百姓の歴史について研究してきました。その背景には、百姓こそが江戸時代の主人公だという思いがありました。今日、マスメディアで江戸時代について語られるとき、そこに登場するのは著名な武士か、あるいは華やかな暮らしを享受していた町人たちがほとんどです。百姓たちは、江戸時代史の裏方に追いやられています。
しかし、私は、百姓こそが江戸時代の主人公だと考えています。江戸時代の人口の約8割は百姓であり、彼ら・彼女らの動向が歴史を動かす深部の力だったのです。江戸時代は、今日のような民主主義社会ではありませんでしたが、それでも1人1人の民衆の営み・志向・行動が集まって大きな流れになり世論となって、政治・経済・社会のあり方と変化の方向を規定していたことには変わりありませんでした。そうした百姓たちのありようを見つめることなしに、江戸時代の実像を把握することはできません。
この講座の主人公は、江戸時代から明治時代の海に生きた百姓たち、すなわち漁業を生業とする漁師たちです。こう言うと、「百姓とは農民のことだろう。なぜ、百姓が海に生きるのか」と疑問に思う方もおられるでしょう。確かに、百姓と農民は重なる部分が多々あります。しかし、両者は同義ではありません。海辺に住み、漁業を主要な生業にしていた人たちも、身分的には百姓でした。百姓とは、特定の職業従事者を表す言葉ではなく、江戸時代の社会における身分を示す呼称だったのです。海に生きた百姓たちも、全国の海辺にたくさんいました。ただ、現在でも、百姓=農民、百姓たちの暮らす村=農村、というイメージは強くあります。そこで、この講座では、海に生きた百姓たちの姿を具体的に描くことによって、百姓の別の顔をお伝えしたいと思います。
海に生きる百姓たちの姿をリアルに示すことによって、江戸時代の主人公だった百姓たちの、農業だけではない多様な生き方を知っていただきたいというのが本講座の意図です。そこから、農村と農業だけをみていてはわからない、海を生業の場としてきた漁師たちの固有の暮らしを発見できるでしょう。
【講座スケジュール】
第1回 09/25 13:00~15:00
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 渡辺 尚志 |
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肩書き | 一橋大学 名誉教授 |
プロフィール | 博士(文学)。東京大学大学院博士課程単位取得退学。一橋大学大学院社会学研究科教授、現在一橋大学名誉教授。今日の日本の基礎を築いた江戸時代の百姓の営みに、常に寄り添いながら研究を重ねている。著書に『百姓たちの幕末維新(草思社)』、『幕末維新期の名望家と地域社会(同成社)』『百姓たちの江戸時代(ちくまプリマ―新書)』『百姓の力』(KADOKAWA)ほか多数。2019年7月『海に生きた百姓たち(草思社)』を上梓。 |
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