学内講座コード:312028g
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主催:
武蔵野大学 社会響創センター事務課 [ 武蔵野大学 三鷹サテライト教室 (東京都) ]
講座名:
太宰治の「私」 ―語りの形式と戦略について― 【連続講座】太宰治 生誕110周年記念
申し込み締切:
2019年11月28日 (木) 23:30
開催日時:
11月29日(金)/13:00~14:30
入学金:
-
受講料:
1,500円
定員:
20
講座回数:
1回
講座区分:
1回もの
その他:
補足:
-
【講座内容】
私小説作品に登場する「私」は作者自身と見做されることが多いようです。太宰治の作品も同様に、と言いますか、太宰治のいくつかの作品はその典型と考えられています。しかし、それは本当に妥当な読解なのでしょうか? 実は、わたしたちは、私小説に於ける「私」の役割を熟知した太宰の戦略にまんまと乗せられているのではないでしょうか? この疑問を『道化の華』と『女生徒』を参照しながら、追究していきたいと思います。『道化の華』は、太宰がエッセイ「川端康成へ」の中で「日本にまだない作品だ」と自信を見せた作品です。しかし、この作品を川端康成は芥川賞の選評で否定します。ここから、太宰は川端への憎悪を露わにしていくのですが、それすら本心だったのかどうかは不明です。川端が評価した『女生徒』にも言及しつつ、二人の作家の関係についても考えていきたいと思います。太宰治の小説に対する姿勢を、「私」の語りの戦略を軸にして考察することで、少しでも作品の読解と観賞を深められれば、と考えています。太宰治の作品世界をともに楽しみましょう。
※参考図書:「道化の華」「女生徒」「川端康成へ」(『もの思う葦』所収)太宰治 新潮文庫
【講座スケジュール】
第1回11月29日(金)
名前 | 川西 宏之 |
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肩書き | 本学教授 |
プロフィール | 著述家。筆名川西蘭。早稲田大学政治経済学部卒。大学在学中に『春一番が吹くまで』を刊行し、創作活動を始める。2011年4月より東北芸術工科大学芸術学部文芸学科教授。文芸創作を講じる。2019年4月より現職。『パイレーツによろしく』『夏の少年』『セカンドウィンド1-3』など著書多数。ブッダの生涯を弟子との関わりとともに描いた、長尾みのる(絵)との画文集『ブッダ』を始め、浄土真宗の篤信者「妙好人」についてのエッセイなど仏教関係の著作もある。 |
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