学内講座コード:312028d
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主催:
武蔵野大学 社会響創センター事務課 [ 武蔵野大学 三鷹サテライト教室 (東京都) ]
講座名:
パロディから読み直す『走れメロス』―太宰治と森見登美彦― 【連続講座】太宰治 生誕110周年記念
申し込み締切:
2019年11月07日 (木) 23:30
開催日時:
11月 8日(金)/15:00~16:30
入学金:
-
受講料:
1,500円
定員:
20
講座回数:
1回
講座区分:
1回もの
その他:
補足:
-
【講座内容】
1940年に発表された『走れメロス』は、メロスとセリヌンティウスの2人の「友情」を描いた作品として今日まで広く知られています。一方で、メロスと妹の「兄妹愛」を描いた作品であるとする読みや「暴君」と称される王・ディオニスの孤独や権力に注目した読みも行われてきています。『走れメロス』は多様な解釈を許容する作品だと示されてきたわけですが、このような試みに共通するのは、「友情」の物語を読み換えたいあるいは書き換えたいという欲求の存在ではないでしょうか。この欲求を実現する手法の一つに、パロディがあります。パロディには、単に原作を茶化すのではなく、原作への優れた批評を含んだものが少なくありません。今回、原作と一緒に取り上げる森見登美彦「走れメロス」(『新釈走れメロス他四篇』)もその1つで、原作とは異なる形の「友情」が描かれています。「友情」の物語として長らく読まれ、評価が定着してきたからこそ、今度はそのような物語を読み(書き)換えるというまた新たな面白さを味わえるのが、『走れメロス』の魅力です。原作と森見によるパロディとを比較しながら、原作を読むだけでは見落とされがちな点にも着目し、あらためて『走れメロス』の楽しみ方を共有できたらと思います。
※参考図書:『走れメロス』太宰治 新潮文庫
『新釈走れメロス他四篇』森見登美彦 角川文庫
【講座スケジュール】
第1回11月 8日(金)
名前 | 山路 敦史 |
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肩書き | 本学非常勤講師・本学武蔵野文学館客員研究員 |
プロフィール | 北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究院専門研究員/武蔵野大学・大妻女子大学非常勤講師/武蔵野大学武蔵野文学館客員研究員。専門は、坂口安吾および武蔵野の文学の研究。共著に『武蔵野文化を学ぶ人のために』(2014年、世界思想社)。近年の論文に「坂口安吾と〈武蔵野〉――「木枯の酒倉から」「竹藪の家」から「盗まれた手紙の話」「風と光と二十の私と」まで」(『坂口安吾研究』4号、2018年12月)、「〈起源〉のシミュレーション――坂口安吾「保久呂天皇」の射程」(『昭和文学研究』74集、2017年3月)、「坂口安吾「村のひと騒ぎ」論――「頭の悪い私」の射程をめぐって」(『坂口安吾研究』2号、2016年3月)、「坂口安吾「文学のふるさと」の再検討――「退屈」との関連をめぐって」(『武蔵野文学館紀要』6号、2016年3月)、「坂口安吾の「周章て者」再考――「風博士」論」(『日本近代文学会北海道支部会報』18号、2015年5月)などがある。 |
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