学内講座コード:17120066
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主催:
明治大学リバティアカデミー [ 明治大学リバティアカデミー 駿河台キャンパス (東京都) ]
講座名:
プ-チン長期政権の秘密、ユ-ラシアニズムとは? 戦争と平和シリーズ
申し込み締切:
2017年05月02日 (火) 23:30
開催日時:
5月10日(水)、 5月24日(水)、 6月 7日(水)、 6月21日(水)、 7月 5日(水)/17:00~18:30
入学金:
3,000円
受講料:
12,000円
定員:
50名
講座回数:
5回
講座区分:
前期
その他:
補足:
-
【講座趣旨】
最大の国土を統治する手段として、ロシアは共産主義に依拠してきたが、ソ連の瓦解以後、やっと開発できた「汎イデオロギー」が、ユーラシアニズムである。
地理的には、ロシアのアイデンティティは、欧米追随ではなく、広大無辺なステップ地帯からモンゴルに至る巨大な「ユーラシア内陸弧」にこそその精髄があるという観点だ。
ロシアに産業革命が及んだのは19世紀後半で、日本と大差ない。その日本に敗れたロシアの衝撃から、共産主義政権が生まれた。産業革命に遅れをとったロシアの引け目は、この国の宿痾となる。
プーチンのクリミヤ半島侵攻、ウクライナへの侵攻は、この宿痾の露呈だった。一方、ソ連瓦解後に払い下げられた国家資産を基礎に登場した「オリガルヒ」は、明治期の政府資産の払い下げで生まれた財閥に酷似していたが、プーチンは彼らの独裁化を恐れ、各個撃破で潰していった(財閥の形成は起こらなかった)。大半のロシア国民も、民主化を望まず、強力な独裁者の登場を歓迎した。民主化路線を突き進もうとしたゴルバチョフとエリツィンが互いに政敵同士となり、ついにはプーチンの狡知に長けた独裁を容認する結果になった。
【講義概要】
第1回 5月10日(水) クロウヴァ作品のドラマ――ユ-ラシアニズムの人間的創成(トルベツコイとグミリョフ)とそれの政治的利用(ドウーギンとプ-チン)
第2回 5月24日(水) 中国vsパコム(米太平洋軍司令部/総指令は日系人)、ロシアvsNATO。象徴としての沖縄・千島、カリーニングラード。中ロの「ユーラシア・ハイウエイ」構想。
第3回 6月 7日(水) なぜ北欧諸国がEU加盟をしぶるのか? フィンランドとビール「トーゴー」
第4回 6月21日(水) NATOがない太平洋――宿敵、仏独が結んだEU(石炭とルール工業地帯)――宿敵、日韓が提携できない極東――東西ドイツ統一とEU、南北朝鮮未統一と極東EUなし(代わりにアセアン)
第5回 7月 5日(水) ユーラシアニズムと中国の太平洋膨脹の非現実性――ポストモダニズムによる「真実以後の政治」による蒙昧化――プーチンの「ハイブリド戦争」――「紛い物」としてのユーラシアニズム
【教材】
レジュメ資料
名前 | 越智 道雄 |
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肩書き | 明治大学名誉教授 |
プロフィール | 1936年愛媛県生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程(単位取得退学)。英語圏新世界文化比較。文化多元主義研究。主な著書は『アメリカ「60年代」への旅』『カリフォルニアの黄金』『ブッシュ家とケネディ家』(以上、朝日新聞社)、『はなぜ生まれてくるのか』(大和書房)、『ワスプ』(中公新書)、『ジョン・F・ケリー』(宝島社)など多数。日本オーストラリア学会副代表理事、日本ペンクラブ国際副委員長、日本翻訳家協会評議員。 |
名前 | 生方 卓 |
肩書き | コーディネータ・明治大学政治経済学部准教授 |
プロフィール | 社会思想史専攻。研究テーマは、ヘーゲルとヘーゲル学派の社会哲学、環境哲学等、共著に『ドイツ社会主義研究』、『経済思想の源流』など。 |
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